バイオリンレッスン

夏子の言葉には耳を貸さずに、平野はこの淫らで楽しい仕事に熱中している。
「ほら、そこに誤字がある。飼育の飼が飲むという字になってる。もっと気を入れてやるんだ」
「ヒィーッ」
平野が陽子の椅子の真下にあるペダルのような物を強く踏んだとたん、彼女は腰を浮かせるようにして身悶えた。
「何なの、それは」

「フフッ。張り形付きの悦楽椅子さ。なにね、古い読者に提供してもらったイギリス製の奴でね。こうしてペダルを踏むと、座板の中央にある穴から張り形が飛び出してきて、陽子の中心部に突き刺るようになっているんだ。ほれ、ほれ」
「イヤーッ。ウーン」
平野がペダルを踏む度に、陽子の口から甘い悲鳴が上った。彼女はぴったりと腿を寄せ合わせていて、その本体は見えないが、相当の大物のようである。なにしろ、この悦楽椅子は西洋人の体格に合わせて造られているのだから……。